さて、わたくしはこれまで、つたないながらも、 アパートに住む二人の愚かな子供たちに起こった、平凡な物語をお話してまいりました。
二人は愚かなことに、家の最もすばらしい宝物を互いのために台無しにしてしまったのです。
しかしながら、今日の賢者たちへの最後の言葉として、こう言わせていただきましょう。
贈り物をするすべての人の中で、この二人が最も賢明だったのです。
オー・ヘンリー(結城浩:訳)「賢者の贈り物」
今日のテーマは賢者の贈り物です。ハリーポッターと賢者の贈り物(いきなり違うな)残念ながらメガネの少年は出てきませんが、とても好きな話なのです。そりゃもう100の質問の第15問でも本じゃなくて小説って書かれてたらこれを書いてたに違いない。いい話だよね。いい話好きだよね。ではこれについて今日は語りましょう
賢者の贈り物(The Gift of the Magi)とは、アメリカの小説家であるオー・ヘンリーさんによって1906年に発表された短編小説です。オー・ヘンリーさんの代表作の一つに数えられる話なのでわざわざ説明するのもおこがましいのですが、話的にはクリスマスの街を舞台に、ジムとデラという若く貧しい夫婦がお互いへのプレゼントを買うためにいろいろと行動を起こし、最終的にはデラちゃんが生け花の間に詰められて餅屋に届けられるという話です(違います)ちなみにその後デラちゃんは太ります(だから違うって)わくわくもちもち!(いいから早く本編に戻って)あっれーおかしいなデラちゃんは出てたと思うんだけど…
この話を最初に読んだのは実は公文式の教室の中です。時は将棋の羽生さんが七冠取ってたくらいの時代、当時の英語教材にあったのが賢者の贈り物だったのです(今でもあった)。お互いのために自らの最も大事な物を犠牲にしてしまうというこの話のオチに幼い俺は割とマジ感動をしてしまい、教室の中で数分間ぼーっとしていたのを今でも覚えています。まあ割と普段からぼーっとしているような子だったのでそこは普段通りですけど、これは…すごい。これがカップルの理想像だくらいのことは思ったのです。金なんか無くても暖かな心があれば…
で、家に帰ってその話をしたところ「賢者の贈り物、あったねーあのバカな2人の話でしょ」みたいな事を言われたのです。そんな…そんな言い方…。確かに本文ですら「二人の愚かな子供たち」ってあるしその話を否定するつもりはなかったのかもしれないけど、一瞬にして今日感じた感動を全否定されたようなショックを受けたわけです。これが幼い俺の心にどのくらいの傷を負わせたのか、それ以来「あれがよかった」「これで感動した」と言う話を家であまりした記憶がありません
トラウマ植えつけちゃったか。割とうちはまったりとした家庭でそういう子供の言うことを全否定するような親でもなかったんだけど…。どうもうちはクリスマスプレゼントという習慣を軽視している傾向があるらしい。クリスマスにプレゼントなんて1回ももらった記憶ないし。どうもケーキを食うだけのイベントになっていたな。あーあとツリーもみんなで飾ってた。という思い出でした。なお今でもこの話は好きです。これがカップルの理想像だくらいのことは思っています(当時から何も変わってないな)これと「サンタクロースって、いるんでしょうか?」が公文式英語教材2大感動作だな。クリスマス好きなのか。ではまた!
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